【雨だれ】2019年J1リーグ第18節vs大分(H)○1-0【石を穿つ】

どうも。「天野純と同時期にお腹をくだしていた」系マリサポのお市です。私の場合は緊張とかではなくもともと胃腸が弱いだけですが。

FC東京との首位(暫定)対決に破れたマリノス。立命館大との試合も辛勝、しかもジョーカー役として計算できたイッペイ・シノヅカ、「10番・キャプテン」の重責を担い大黒柱に成長した天野純の放出が決定。ここ数日つらいニュース続きで迎えた大分戦ですが、どうにか勝利しました。

これで今季リーグ戦でのクリーンシート(無失点試合)数は5に。昨季リーグ戦での総数に追いつきました。(そこ、去年どんだけクリーンシートなかったんだとか言わない)ボールを保持しながら無失点で勝った。しかも勝った相手は前回ボコボコにされた大分。ボス就任時から描いていた理想像に近づきつつあるという手応えを感じられたゲームだったかと思います。
では早速諸々の数字(スタッツ)を見てみましょう。出典はおなじみ SofaScore.com です。

 

スタッツ

緑がホームのマリノス、青がアウェイの大分です。

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見よや、圧巻の被シュート(Total shots)2!しかも被枠内シュート(Shots on target)0!数値からも納得のクリーンシートだったことが窺えます。シュート数やチャンス数は全て大分を上回ってます。また右側に目を移すと、1対1勝利回数(Duels won)や空中戦勝利回数(Aerials won)もわずかですが勝利。球際おじさんも溜飲の下がるゲームだったのではないでしょうか。

ただ、思ったほど支配率(Ball possession)は高くなく、57%に落ち着きました。またパスカット数(Interceptions)が大分の14に比して3と少ないのも目につきます。これは大分のトレードマーク、いわゆる「擬似カウンター(または釣り野伏せ)」と呼ばれる低い位置でのパス回しからの速攻に苦しんだ結果かと思われます。

さらに気になるのが、シュート数18でチャンス数(Big chances)が1、得点も1と大人しめなこと。「いいゲームだったけど、もう1点くらい欲しかった」という思いが正直なところ、、、というマリサポの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回はこの「擬似カウンターに苦しんだけど前回ほど痛手を食らわなかったのはなぜか」、「18本シュートを打ったのに1点に終わったのはなぜか」という点から試合を振り返ってみたいと思います。大分戦のマッチレビューはっじまーるよー。

 

ポゼッションの軸はリベンジの2人

スタメンはこちら。

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マリノスは水曜の天皇杯に出ていた和田拓也に替えて、ヒロセ・ジュニオールこと広瀬陸斗をRSBに起用。エジ、クリリンとともに「マリノス3大Jr.」が久々に並び立つ形になった。また、「さすがにベルギー移籍決まってるから先発は無いべ」と思わせておいてAJまさかの先発。マリノスでのラストダンスとなった。

反対に大分は若干の野戦病院化や、マリノスとの陣形の噛み合わせを考慮してシステムと人を前節浦和戦から変更。3-4-2-1の時にはシャドーを務める小塚を1列下げて、マリノスの正三角形型3センターに合わせるように2IH+1アンカーの布陣に。前節負傷した右HV(3CBの両脇の2人のこと。HなVRではない。)岩田の代わりに「持ち歌はホイットニー・ヒューストン」島川を起用。岩田のようなチートじみた機動力はないものの、甲府時代はアンカーとしてもプレーした彼を起用する辺り、HVからのパスの供給が肝だと、憎いアンチクsh知将・片野坂監督は考えていたのかもしれない。

前半からマリノスは攻勢をかけまくる。スタメンに名を連ねたSB2人、ティーラトンa.k.a.ブンちゃん、大津アニキお気に入りのネタ「陸斗だよ」でおなじみ広瀬陸斗は、大分との前回対戦でも先発していた。

ブンちゃんとりくとの2名にどれほどリベンジの意識があったかは定かではないし、「あまじゅんマリノスラストマッチ」「そもそも首位に食らいつくには勝ち以外なし」の状況だからそれどころじゃなかったかもしれない。けれど三ツ沢でのマリノスSBコンビは、前回対戦の借りに利息をつけて返すような見事なパフォーマンスだった。もちろん無失点に貢献した守備面も素晴らしかったのだが、とりわけそのポジショニングは特筆に値した。
前半の両SBのボールに触れたプレー(パス、タックル、シュートなど)位置をプロットすると以下のようになる。

高い位置でのボールタッチが多いこと、またサイドだけでなく中央寄りのタッチも多いことが目につく。この日のりくととブンちゃんは、もはやマリサポ界隈では「ハンミ、カラダノムキ」くらい定着した(と思われる)「偽SB」の役割を果たしていた。この動きでSB2人は、ボランチとの連携でペナ脇の前、サイドと中央の間のスペースに向けたパスコースを確保していた。

またSB2人がファーストタッチで対面のWBを剥がすことができていたのも大きい。多用していたのが、ダイレクトパス、そして「フェイクバック」と呼ばれる、ボールに触れずにボールの勢いそのままに前を向く技だった。

自分がボールを持っても相手のWBやIHが背後まできていてプレーしにくい場合はワンタッチでパスをくれた選手にリターンする。ただ、相手のプレスが少し遅い場合はフェイクバックで前を向いて前方へパスを出せる。小さいことのように思えるが、中を締められた場合に相手のプレスが集中しやすいSBにこの細かいボールスキルができる選手がいるのはとても大きい。

パスコースを担保するポジショニング、パスを受けた時のフェイクバックなどのファーストタッチの巧さ。こうしたスキルの積み重ねで、ブンちゃんとりくとは前半からパス回しの起点になった。それを裏付けるのが、各選手間のパス本数を可視化したパスマップだ。もはやマリノスの最重要人物としてマークされ、松本レイチェルからも警戒されていた喜田名人だけでなく、SB2人もパスの本数が多いことがわかる。

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当然といえば当然なのだが、守備時の大分は、マリノスに中央へのパスを通されないよう心がけていた。いわゆる「中を締める」という状態だ。そのためマリノスのCBやボランチは、サイドへのパスが増え、そこから展開を進めるようになる。なので大分はマリノスのSBや彼らのパスを受けたWGにボールが渡った時、プレスをかけて囲めばボールが奪いやすくなる。

そこで「対戦クラブに課題を突きつけることに定評がある」策士・片野坂監督はIHのティティパン、小塚にSBをチェックさせた。とりわけブンちゃんには警戒を強めたのか、「監視役のティティパンに近くで指示がしたいから」とキックオフ前にコートチェンジする徹底ぶりだったらしい。喜田&AJのボランチコンビ、または内に絞ったSBが代わる代わる目の前を行き来する中、それを監視するだけでも「どこまで付いていけばいいか?」と判断が難しい。ただこれを実施しつつ、背後のバイタルエリアへのパスコースを消せば、マリノスはハーフスペースを攻略しにくくなる。マリノスが大いに攻めあぐねたのも、大分のIH2人が実直にタスクをこなしたことが大きいのではなかろうか。

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中央を切りながらサイドをボールの狩り場にする。マリノス対策としては一丁目一番地の策だが、大分はIH2人がその基軸を担っていた。そこへの「対策の対策」としてマリノスが持つ武器が、「偽SB」によるSBとボランチのポジションチェンジがあった。3-1-4-2を採用する浦和などもこの手法が採用される可能性があるので、今後も見られる形かと思う。

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